弁護士のあたまの中

倒産・事業再生・事業承継・M&A・下請法・中小企業の法務を中心に活動/弁護士が何を考えているかを伝えられれば。/主に中小企業の経営者、幹部さんに。

依頼者に何度も事実や証拠を確認する理由

事件の依頼を受ける際に、依頼者にいろいろ事実関係や証拠を確認することは、弁護士としては絶対に必要な作業です。 例えば依頼者Aから、「Bに200万円お金を貸しました。一度だけ50万円を返してきましたが、そのあとは返済はありません。連絡もつきません。…

裁判をすべきとき、すべきでないとき①

会社を経営していくうえで、どうしても紛争やトラブルに巻き込まれることがあります。紛争解決の手段として、裁判を何度もしたこともある会社もあれば、いままで裁判をしたことがないという会社も実は珍しくありません。 裁判の経験がないと、どうしても裁判…

顧問、ご相談、ご依頼についてのご案内

連絡はこちらへ Email t_hagihara@hagilaw.comTwitter @h2gr_l 民法一般、会社法、倒産法、労働法、下請法など中小企業が直面しやすい法律について全般的に対応しています。 会社の事業や取引の実態、特性を深く理解し、合理的な解決を目標に置きつつ、柔軟…

契約書の形式面も大事です。条・項・号とは。

契約書を作成するときの形式で、各条項には「第1条、第2条、第3条」とナンバリングすることがほとんどです。まれに「1、2、3」や「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」から始める契約書もあります。 弁護士を含む法律家の多くは、ナンバリングの階層として「条」「項」「号」を使用…

一人会社における役員の善管注意義務に関するメモ

ジュリスト8月号「一人会社における役員の善管注意義務――東京地判平成31・3・22…熊代拓馬」かなり興味深い内容です。中小オーナー企業もファンドなどで投資している場合にも関係してくる。100%株主の指示を取締役はどこまで従うべきか、従ったとして責任は負…

偽造書類の見分け方

7月19日に最高裁で監査役の責任についての判決がありました。 www.nikkei.com 私も中小企業の監査役を引き受けることがありますし、現在、上場会社の社外監査役もしています。監査役の責任について実務的な影響がどれくらいあるのかは関心をもっています…

約束手形の廃止

昨日このようなニュースが流れてきました。 www.nikkei.com Twitterでも書きましたが、約束手形の廃止自体は大賛成ですが、いろいろ問題も生じてきそうです。 約束手形を見たことないという弁護士やビジネスマンもいるようですが、中小企業の現場ではまだま…

M&A仲介の規制

M&Aは売る会社と買う会社があって成り立ちます。 私も事業再生の一環で特に中小企業のM&Aは多数取り扱ってきましたが、案件数でいうと概ね売主側で8割、買主側で2割ぐらいのイメージです。 M&Aの成否のポイントはいくつもありますが、最初の難関は、M&Aの相…

【弁護士のトリセツ】契約書チェックを依頼する。

弁護士の業務として、日常的な業務のひとつが契約書のチェックです。 みなさん、取引基本契約書、業務委託契約書、秘密保持契約書などを、顧問や知り合いの弁護士に、「この契約書見てもらえませんか?」と依頼されると思います。このとき、何の情報もなく、…

【事業再生】最初に何を聞いてどう判断するか。②

前回の記事(【事業再生】最初に何を聞いてどう判断するか。① - 弁護士のあたまの中|弁護士萩原貴彦のブログ)では、相談にきた会社から「最初に何を聞くか」について書きましたので、今回は「最初にどう判断するか」です。 一番最初に考えることは、どの方…

【事業再生】最初に何を聞いてどう判断するか。①

事業再生を取り扱う弁護士のことを「倒産弁護士」などと呼ぶことがあります。本当は「倒産弁護士」という言葉のイメージは一般向けにはあまり良くないので「事業再生弁護士」とか「再建弁護士」とか呼ばれるようになりたいですね。 この倒産弁護士のところに…

【裁判例】事業譲渡会社の標章の一部の続用と会社法22条1項類推適用の可否

[裁判例情報] 東京地裁平成31年1月29日判決(平成30年(ワ)第7876号) 貸金返還等請求事件 金融・商事判例1566号45頁 確定 [事案の概要] X銀行はA社に貸付があったが、A社はY社に事業を譲渡し、その後債務整理を開始した。X銀行はY社に会社法22条1項の…

【事例】解雇を争っている従業員に出向命令を出したらどうなりますか?

事例は守秘義務の問題もありますので、多くのフィクションを含めています。 法律相談を受けたときの回答や助言は、当然のことながら王道の回答をするようにしています。ただ固定観念に捕らわれない、柔軟な発想をするということは大事にしたいです。 [事例…

【裁判例】相続財産についての情報と個人情報保護法2条1項にいう「個人に関する情報」

情報発信と自分の備忘録として裁判例をメモしていきます。 [裁判例情報] 最判平成31年3月18日判決(平成29年(受)第1908号) 保有個人情報開示請求事件 判例タイムズ1462号10頁 [事案の概要] Xが銀行であるYに対し、個人情報保護法28条1項に定める保有…