弁護士のあたまの中

倒産・事業再生・事業承継・M&A・下請法・中小企業の法務を中心に活動/弁護士が何を考えているかを伝えられれば。/主に中小企業の経営者、幹部さんに。

2021-01-01から1年間の記事一覧

一人会社における役員の善管注意義務に関するメモ

ジュリスト8月号「一人会社における役員の善管注意義務――東京地判平成31・3・22…熊代拓馬」かなり興味深い内容です。中小オーナー企業もファンドなどで投資している場合にも関係してくる。100%株主の指示を取締役はどこまで従うべきか、従ったとして責任は負…

偽造書類の見分け方

7月19日に最高裁で監査役の責任についての判決がありました。 www.nikkei.com 私も中小企業の監査役を引き受けることがありますし、現在、上場会社の社外監査役もしています。監査役の責任について実務的な影響がどれくらいあるのかは関心をもっています…

約束手形の廃止

昨日このようなニュースが流れてきました。 www.nikkei.com Twitterでも書きましたが、約束手形の廃止自体は大賛成ですが、いろいろ問題も生じてきそうです。 約束手形を見たことないという弁護士やビジネスマンもいるようですが、中小企業の現場ではまだま…

M&A仲介の規制

M&Aは売る会社と買う会社があって成り立ちます。 私も事業再生の一環で特に中小企業のM&Aは多数取り扱ってきましたが、案件数でいうと概ね売主側で8割、買主側で2割ぐらいのイメージです。 M&Aの成否のポイントはいくつもありますが、最初の難関は、M&Aの相…

【弁護士のトリセツ】契約書チェックを依頼する。

弁護士の業務として、日常的な業務のひとつが契約書のチェックです。 みなさん、取引基本契約書、業務委託契約書、秘密保持契約書などを、顧問や知り合いの弁護士に、「この契約書見てもらえませんか?」と依頼されると思います。このとき、何の情報もなく、…

【事業再生】最初に何を聞いてどう判断するか。②

前回の記事(【事業再生】最初に何を聞いてどう判断するか。① - 弁護士のあたまの中|弁護士萩原貴彦のブログ)では、相談にきた会社から「最初に何を聞くか」について書きましたので、今回は「最初にどう判断するか」です。 一番最初に考えることは、どの方…

【事業再生】最初に何を聞いてどう判断するか。①

事業再生を取り扱う弁護士のことを「倒産弁護士」などと呼ぶことがあります。本当は「倒産弁護士」という言葉のイメージは一般向けにはあまり良くないので「事業再生弁護士」とか「再建弁護士」とか呼ばれるようになりたいですね。 この倒産弁護士のところに…